HMBとビタミンDの併用について

筋力アップに効果的なビタミンDとは

ビタミンDは筋肉量アップに効果的に働く、大切な栄養素です。魚介類や卵、きのこなどに多く含まれており、摂取することで、骨の強化や筋肉の合成を促進するという働きがあります。

ビタミンDが筋肉の増強を助けるというのは、実はここ数年の研究で明らかになったこと。筋肉にあるビタミンDのレセプターに結合することにより、筋肉中のたんぱく質の合成を促進させるということがわかってきました。
よって、ビタミンDはトレーニングをしている人にとっては欠かせないものとなりつつあると言えます。

1日の摂取量の目安は、18歳以上の男女ともに5.5μg(耐容上限量は100μg/日)と設定されています。しかし、ビタミンDの異常な摂りすぎには要注意です。

ビタミンDの種類

食べ物から摂取できるビタミンDは、全部で6種類存在します。その中で筋力アップの効果的なのは、「ビタミンD2(VD2)」と「ビタミンD3(VD3)」です。

ビタミンD2とは

植物由来のビタミンDです。主にきのこ類や海藻類などから摂取できます。

ビタミンD3とは

動物由来のビタミンDです。肝油やレバー、いわしやかつお、さんまやぶり、鮭などから摂取できます。また、ビタミンD3は人の体内でも生成される成分のため、ビタミンDの種類の中でもとくに筋力アップに繋がりやすいと考えられています。

健康維持に欠かせないビタミンD

ビタミンDは健康維持に欠かせない成分です。体内でビタミンD3がつくられずに欠乏状態になると、カルシウムの吸収が低下するほか、免疫力の低下をまねき、次のような疾患を引き起こす可能性があります。

  • 骨粗しょう症
  • 骨軟化症
  • 糖尿病
  • 動脈硬化
  • 自閉症
  • うつ病
  • くる病

しかし一方で、ビタミンDは脂溶性のビタミンであるため、水溶性ビタミンと違い尿として排出されにくいので過剰摂取には注意が必要です。
普通の食生活では特に気にすることはありませんが(1,000μg/日以上で認められる)、ビタミンDを摂りすぎると、高カルシウム血症や軟組織の石灰化などの症状が起こり、一般的に便秘、吐き気、嘔吐、腹痛、食欲減退の症状があらわれます。また極めて重度の場合は、腎不全など腎機能障害が生じることもあります。

紫外線によってビタミンD3がつくられるメカニズム

人の皮ふには、コレステロールを代謝する際に発生する「プロビタミンD3」という物質が大量に存在します。「プロビタミンD3」は紫外線をあびると「プレビタミンD3」に変化し、そこから約2週間かけて「ビタミンD3」になります。

日中屋内にいて紫外線を浴びていない人や日焼け止めで紫外線対策をしている人がビタミンD不足になりやすいのは、このためです。日光に当たる機会が少ないと感じている方は、食事からビタミンDを摂取することすることを心がけてください。

骨への効果だけではないビタミンDの研究データ

ビタミンDは、骨粗しょう症に効果がある成分として長年知られてきました。しかし、2010年以降は筋力アップをサポートする男性ホルモン「テストステロン」を増やす効果について注目されています。

ビタミンDにはテストステロンを増やす効果がある

ビタミンDとテストステロンの研究1

2010年にオーストラリアの大学で、ビタミンDと偽薬を使った比較実験が行われました。
対象となったのは、体重減少プログラムを受けていた54人の男性(ビタミンD濃度とテストステロンレベルが基準値以下)です。 実験では対象者を2つのグループにわけ、片方にビタミンDを、もう片方にプラセボ(偽薬)を1年間投与し続けました。 その結果、ビタミンDを投与したグループは、テストステロンレベルが20%高まったと報告されています。

偽薬を投与したグループのテストステロンレベルには変化が見られなかったことから、テストステロンはビタミンDによって増加すると考えられています。[注1]

ビタミンDとテストステロンの研究2

ヨーロッパでは、2012年に40~79歳の男性3369人を対象としたビタミンDの実験が行われました。
対象者の体内のビタミンD量を測定したのち、ビタミンDが多いグループ(30ng/ml以上)と欠乏状態のグループ(20ng/ml以下)にわけ、テストステロン(男性ホルモン)のレベルとエストロゲン(女性ホルモン)のレベルを比較しています。 実験の結果、ビタミンDが多いグループは、欠乏状態のグループよりもテストステロンレベルが高いことが報告されました。 また、この実験データによると、ビタミンDが多いグループの健康状態は良好であり、ビタミンDが欠乏状態のグループは体脂肪が多く、心疾患やうつ病にかかりやすい傾向があったそうです。

研究者らは、このような研究結果からビタミンDがテストステロンの生成をサポートしていると考えています。[注2]

健康を維持しながら室内トレーニングで筋力アップを狙いたい方は、ぜひビタミンDとHMBを合わせて摂取してみてください。

HMBとの併用で期待できる効果

HMBとビタミンDは、それぞれが筋力アップに働く栄養素ですが、どちらも併用して摂取するのがおすすめです。

上にあるように、ビタミンDにはテストステロンという男性ホルモンを増やす効果があることが分かってきました。つまり、筋肉のつきやすい体になるようサポートしてくれます。HMBには筋肉の回復を促進してくれる効果があるので、HMBと併用することでよりトレーニングの効果を実感できるようになるということです。

HMBとビタミンDが配合されたサプリがおすすめ

厚生労働省『日本人の食事摂取基準2015』では、ビタミンDに関する健康効果を示す信頼性の高い研究結果が急激に増えたため、ビタミンDの耐用上限が倍に引き上げられ、欠乏のリスクを減らすように見直されています。[注3]

筋力アップにはもちろん、健康面でも大切なビタミンDは、ぜひ積極的に摂りいれたい栄養素だと言えるでしょう。

ビタミンDは食品からも摂取することができますが、サプリメントで摂るのがより効率的です。HMBのサプリメントの中には、ビタミンDが配合されているものもあります。筋力アップのためのサプリメントをお探しの際は、ぜひ、その他の成分名もよくチェックしてみてください。

参考文献